『MM9』(山本弘)
- 作者: 山本弘
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/06/25
- メディア: 文庫
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『と学会』会長の特撮SF。
もっとも、これは小説なので“特撮”っていうのだか・・・?
“怪獣の出現”が“台風の発生”と同じように“自然現象のひとつ”と考えられているとしたら?という設定のパラレルワールド。
自然現象なので、所轄官庁は気象庁!
気象庁の「気特対」が怪獣の出現を発見し、進路予測をたて、被害規模を想定し、自衛隊へ対応を要請する、というように、「台風」と同じような扱いをしている世界。
規模の単位はMM(モンスター・マグニチュード)。タイトルの「MM9」は“人間が対峙したことがないほど巨大な怪獣”を意味してます。
「怪獣や妖怪はいるんだ」という人間の概念が、「怪獣や妖怪」の存在理由になっているという理論を展開していて、「怪獣や妖怪」が想像の産物という概念になったら、その存在を過去にさかのぼってまで否定されるという。
実は、いま、この現実の世界は“想像の産物”化後の世界なのでは?という問いかけが、ただの空想小説とは違うんじゃないかと思わせます。