『四畳半神話大系』(森見登美彦)

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

例のアレですね。
4話構成のパラレルワールド的文学。
大学3回生の「私」が入学時に異なるサークルを選んでいたら・・・
という設定なのですが、第4話で、それがすべてつながって“蛾の大群”のエピソードが回収されるという素晴らしいお話。
 
ただ、どんな選択をしても、小津とは黒い糸でつながっているし、その小津は十人中八人が妖怪と間違い残り二人は妖怪であるし、好機にはそこにコロッセオと占われるし、子猫が勝手に入ってきてにゃあにゃあと可愛いし、樋口師匠の部屋から漏れた水は貴重な書籍類を猥褻非猥褻のへだてなくふやけさせるし、蛾の大群に押し流されて小津は賀茂大橋の欄干から落ち「僕なりの愛ですわい」となるのである。
 
これで部分的に見てはわけのわからなかったノイタミナがやっと見れることになったのだが、でも、いささか、見るに堪えない。