『転校生 -さよなら あなた-』(10本目)

covastudio2007-06-23

【Shinjuku Garden Cinema】(C9/10)
この劇場は初めて。
旧新宿文化シネマを全面改装して、去年12月にオープンした
ばかりの独立系シアターだそうで。
角川の直営館なので、角川映画の舞台挨拶に使われるのでしょうか。
今回は、運良く“舞台挨拶前から3列目中央”という
絶好の座席を確保できたと誘われて行ってきました。

ということで、25年前のあの名作*1を、大林監督がリメイクしました。
今回は尾道ではなくて長野が舞台。とはいっても、尾道から“越してきた”という設定ですので、尾道もちゃんと出ます。
 
ストーリーはあえて言わなくてもいいでしょう。
幼なじみの一夫と一美のからだ(こころ?)が入れ替わってしまう、青春コメディ。いや、コメディっていうには切なすぎるわ。前作よりコメディタッチではあるものの…
一般には、「男」と「女」が入れ替わるという設定が導入部としては面白いのかもしれませんが、意外と性格がまるっきり変わってしまう登場人物に対して、周りの人たちが最初は抵抗があるもののだんだん受け入れて行く、というところが見所なのかもしれません。
で、慣れきったところで元に戻ることによる喪失感…そこが切ないんだわー*2
 
舞台挨拶には、大林監督以下主人公の中学生役4人(写真参照)が登壇。
大林監督いわく、「原作者に『いま“転校生”を書き直すとしたら、どういう設定にしたい?』と聞いたら『4人の友情ものがたりを書きたい』という答えが返ってきたので…」ということ。
今回のこの4人はちゃんと原作者の意図が汲み取られているのでした。
4人で病院から抜け出すシーンに感動しました。
 
また、「長野を舞台にしたことについては、2006年の平和な世界を後世に残して行きたいという、長野市民からの要望を受けて」ということで実現したようです。
確かに、美しい日本文化・風景が映し出されていました。
撮影のアングルは、ななめ向き多用で最初疲れますが、横に長いスクリーンにそれらを切り取り残すための工夫なんでしょうか?


*1:前作のリアルタイム世代です

*2:『ミライザーバン』

ミライザーバン〈1〉 (1977年) (サンコミックス)

ミライザーバン〈1〉 (1977年) (サンコミックス)

朝日ソノラマ解散記念引用)にも、主人公がおとなしかった別次元の主人公に乗り移って積極的な性格に変わることで母が喜ぶ、なんてシーンがありました。涙しました。